田植え機の中古相場を解説|メーカー別の売れ筋田植え機
2022/02/13
田植え機は手軽に使えるものから大型の本格的なものまで幅広い機種がありますが、新品で購入すると高額でなかなか導入のハードルが高い農機具です。
そこでおすすめなのが中古で購入することです。中古品は多少使い込まれてはいるものの、使う時期が限定的であるため、ある程度使われた田植え機でも長く使い続けることができます。
どのくらいの価格で購入できるのか、田植え機の中古相場についてメーカー別の売れ筋モデルとともに解説します。
メーカー別田植え機の中古相場
田植え機はメーカーやそれぞれのモデルごとに中古相場が大きく変わります。
メーカーごとの田植え機の特徴とともに中古相場について解説します。
ヤンマーの田植え機中古相場
国内メーカーの中でも人気の高いヤンマーは、独自の栽培技術「密苗(みつなえ)」を取り入れるなど、機能面にこだわりを持った田植え機が多いです。
産業や船用のエンジンも手掛けているので、エンジン性能の高さに定評があり、ペダル操作で簡単に速度調節ができるのもヤンマーならではの特徴です。
ヤンマーの田植え機中古相場はシリーズによって大きな差があります。
・歩行田植機 シリーズ:13~40万円
・YR4S シリーズ:20~60万円
・YR4J・5J・6J シリーズ:35~100万円
・YR5M・6M シリーズ:100~180万円
・YR5D・6D・7D・8D シリーズ:100~200万円
・YR10 シリーズ:200万円~
クボタの田植え機中古相場
国内農機具メーカーの代表的存在であるクボタの田植え機は、高性能なGPSが搭載されているモデルがあります。
直進キープ機能が付いた田植え機は、自動的に直線で走行できるため初心者でも簡単に美しい田植えが可能です。
クボタは半世紀に渡って田植えの効率化をサポートする田植え機を開発し続けたことで、最新の技術を取り入れた新しい田植え機を次々とリリースしています。
・歩行田植機 シリーズ:10~40万円
・EP3・4キュート シリーズ :15~50万円
・ZP43L・45L・50L ラクエルα Light シリーズ:50~80万円
・ZP50・55N ラクエルα シリーズ:50~150万円
・ZP65N・67・87 ラクエルα シリーズ:100~200万円
・EP8D・10D ラクエル シリーズ:150~200万円
・WP60D・80D ワールドスペシャル シリーズ:100~150万円
・KSAS対応・直線キープ機能付田植機 シリーズ:100~200万円
三菱マヒンドラ農機の田植え機中古相場
三菱マヒンドラ農機は国内で唯一の外資系農機具メーカーです。
1914年に三菱農機として設立された100年以上も歴史あるメーカーですが、外資系ならではのグローバルな視点による技術開発が行われています。
全国に大型拠点を備えており、田植え機の新商品開発を積極的に行うだけでなく、アフターサービスも充実しているのが三菱マヒンドラ農機ならではの魅力です。
・LCシリーズ:20~40万円
・LEシリーズ:40~220万円
・LRシリーズ:130~300万円
・LKEシリーズ:120~180万円
・MPシリーズ:150~300万円
イセキの田植え機中古相場
イセキは比較的シェア率が高いメーカーで、一般的な歩行型や乗用型の田植機に加えて無人作業が可能なロボット田植機も販売しています。
また省エネルギー化、低コスト化対応の田植え機も開発。
手軽に扱える田植え機から、最先端技術を活用した田植え機まで、幅広いニーズに応えるラインナップが揃っているので、田んぼの規模や予算に合わせてモデルを選ぶことができます。
・さなえPRJ8ロボット田植機(有人監視型):150~300万円
・さなえPRJ8:150~200万円
・さなえPRシリーズ:80~100万円
・さなえPZ103:110~250万円
・さなえRPQ:50~70万円
・さなえP40シリーズ:30~50万円
・さなえPC5シリーズ(歩行):15~70万円
みのる産業の田植え機中古相場
「地方の特産品を支える」をテーマに商品開発を進めるみのる産業は、地域に密着した独自性のある田植機を生産しています。
大手メーカーとの違いは種類が豊富ではあるものの、生産は少量であること。
トレンドを追うのはもちろん、有機無農薬米などこだわりを持った米作りにも対応するため、現在も新しい商品開発や改良が続けられています。
・X2:15~30万円
・RXE4A:60~100万円
・RS04A:30~60万円
・RXE60:100~170万円
・RX61:80~120万円
・KE3A+KW6/KE3A+KWM6:60~100万円
・KE3A+KW8A/KE3A+KWM8A:70~110万円
・KE3A+KW4/KE3A+KWM4:60~100万円
メーカー別売れ筋田植え機を紹介
稲作が盛んな日本では各メーカーがさまざまな田植え機を開発しています。
どのような田植え機が売れているのか、メーカー別に売れ筋の田植え機をご紹介します。
田植え機シェア率メーカーランキング
まずはどのメーカーの田植え機が支持されているのか、シェア率ランキングをご紹介します。
1位:クボタ
2位:ヤンマー
3位:イセキ
4位:三菱マヒンドラ
5位:みのる産業
やはり農機具の売上が圧倒的に高いクボタは田植え機にも強く、非常に多くの現場で使用されています。
クボタの売れ筋田植え機
クボタはシェア率だけでなく売上も、農機具全体を通して国内1位のシェア率です。
海外向けブランドも展開しており、海外メーカーを含むランキングでも2位を誇る、世界中で支持されているメーカーです。
ナビウェルシリーズ(NWシリーズ)
ナビウェルシリーズは近年クボタが力を入れている田植機のひとつで、GPSを使用した株間キープや直進キープ、施肥量キープが可能なICT機能を搭載しているシリーズです。
精度が高く低コストでの作業をサポートしてくれます。
2018年より登場したシリーズであるため、中古品はあまり出回っていませんが今後狙い目のシリーズなので要注目です。
ニューウエルスターポップシリーズ(SPUシリーズ)
10年以上前に登場したシリーズですが、扱いやすく安心して作業ができるように開発されたため今でも人気があるシリーズです。
新品の希望小売価格が100万円前後なので、中古ならさらに手出ししやすい部分もポイント。
労力の軽減を目的に作られているので、よりラクして効率的に作業を行いたい人におすすめです。
ヤンマーの売れ筋田植え機
ヤンマーはクボタ同様に海外への展開にも積極的であり、なおかつ国内でも非常にシェア率が高いです。
より低燃費で作業ができるように開発されており、なるべく環境に配慮して作業したい場合におすすめです。
YRDシリーズ
感度アシスト機能搭載で浮き苗を防止し、一定の深さを保って植えることができます。
そのため大幅な労力削減が可能で、現在でも新商品が開発され続けている人気のシリーズになっています。
イセキの売れ筋田植え機
ヤンマーと同じくらいシェア率が高いイセキ。海外市場にも力を入れており、国内だけでなく海外の農業を支えるメーカーとして支持されています。
NP80D
NP80Dは可変施肥と直進アシストが付いているので、作業速度の向上が可能なモデルです。
操作も簡単で経験が浅くても綺麗に田植えができます。アシスト機能は最高速での作業が可能で、直進だけでなく曲がるときの補正にも優れています。
元値が通常の田植え機よりも高めではあるものの、高齢者や初心者でも安心して田植えができるモデルなので、中古品が出たらぜひ候補として検討してみてください。
三菱マヒンドラの売れ筋田植え機
三菱マヒンドラの田植機は、シャア率こそトップより差があるものの、安全性の高さにこだわり、操作性のしやすさにも定評があります。
LE80D
LEシリーズは丈夫で手植えのように苗に優しい植え付けが特徴です、
中でも最上級モデルとして開発されたLE80Dは、ハイパワーであらゆる場に対応しているだけでなく、長時間作業のストレスを軽減するシステムや、作業効率アップのための省力化機能も充実しています。
みのる産業の売れ筋田植え機
寒冷地の水稲から普及が広がったメーカーなので、本州ではあまり見かけませんが、北海道ではシェア率60%と圧倒的な支持率を誇っています。
ポット成苗田植機RXE-4
ミッドマウント型なので植え付け部分が中央にあります。3輪タイプの珍しい形をしていますが。直進性に優れているので綺麗にまっすぐ植えられます。
また旋回もラクにできるので、軽快な作業が可能です。
中古で田植え機を購入する際に確認するべきポイント
田植え機はモデルやメーカーごとにさまざまな特徴がありますが、どの田植えを購入するにしても必ず確認しなければならないポイントがあります。
中古だからこそ気をつけて確認するべきポイントを解説します。
整備状況と修理状況でメンテナンス履歴を把握
まず見るべきポイントは整備状況・修理状況です。
そもそも田植え機は田植えを行う季節にしか使われないので、長期間放置されているケースはよくあります。
長期間放置をした田植え機は、たとえ正常に動いたとしても故障しやすい状況になっている可能性が考えられます。
そのため長く使えるように事前にきちんと整備が行われたか、修理をした部分はあるかなどのメンテナンス履歴を確認しましょう。
稼働時間がわかるアワーメーターの値
田植え機がどのくらいの時間稼働したか、必ずアワーメーターの値を確認してください。
稼働時間は田植え機の寿命の参考になる部分です。
田植え機の明確な寿命は定められていませんが、一般的には耐用年数が6年で寿命は1200時間と言われています。
たとえば新品価格が120万円の田植え機が40万円で販売されていて、稼働時間が600時間だった場合、中古価格は新品の3分の1ですが稼働時間は寿命の半分なのでコストパフォーマンスがよいと言えます。
しかし稼働時間が1000時間など、寿命が3分の1以下になっている場合はあまりコストパフォーマンスがよくないので購入は避けるべきです。
このようにアワーメーターの値は、購入の判断材料になる部分なので必ず確認しましょう。
部品の年式を確認する
田植え機は長く使い続けるものだからこそ、修理できることが重要になります。
とくに古い年式の田植え機の場合、部品の年式はさらに古いので、部品自体が製造・販売終了になっているケースが多いです。
新しい年式の部品で代用できれば問題ありませんが、替えがきかないと修理ができない可能性があるので注意してください。
部品の年式をひとつひとつ確認することが難しい場合は、修理が可能な田植え機なのか確認するとよいでしょう。
ネットでの購入は出品元に注意する
中古の田植え機は フリマサイトやオークションなど、ネット上で購入することができます。
業者の中古農機具販売専門サイトではなく、フリマサイトやオークションを使う場合は、出品元のユーザーページまできちんと確認してから取引を開始してください。
業者が出品している場合はとくに気にする必要はありませんが、個人の場合は盗品である可能性や、出品ページに不備がある可能性があります。
個人間で取引する場合は、田植え機の正規所有者であるか身分を提示できる人か問い合わせたうえで、出品ページに不備がある(稼働時間や馬力に記載漏れなど)場合はきちんと確認してから取引してください。
田植え機の中古相場は新品の3分の1前後が多い
田植え機の中古相場はだいたい新品の3分の1くらいで売られていることが多いです。
もちろん状態やモデルによって異なるので、中には新品価格の3分の2くらいの高値がついている田植え機もあります。
もし田植え機を中古で購入するのであれば、売れ筋の商品や売れ筋とスペックが似ている・同じシリーズの商品を選ぶと失敗しにくいです。
やはり売れ筋ほど操作性などがよい田植え機が多いので、中古で販売されていたらぜひ検討してみてください。