中古除雪車の価格相場と購入する場合の注意点を解説
2022/02/13
中古除雪車の価格相場と購入する場合の注意点を解説
積雪時に大活躍する除雪車。数年前に出たばかりの新しい年式の車種も、すでに中古で販売されているので、新車購入が難しい場合は中古での購入を検討するとよいでしょう。
ただし除雪車は農機具の中でも比較的高価なものなので、一般的な中古自動車や農機具などで中古価格をイメージすると、想像以上に高い印象を抱いてしまうかもしれません。
そもそも中古除雪車はどのくらいの価格で購入できるのでしょうか?
中古除雪車の価格相場について、購入する際の注意点とともに解説します。
中古除雪車の価格相場を解説
オークションや中古車業者などの出品金額を参考に算出した、中古除雪車の価格相場は400万円前後です。
家庭用のコンパクトな除雪機と違い、除雪車は公道を走ることができる自動車なので、中古であっても400万円前後かかるケースが多いです。
ただし業者によっては販売中の除雪車の価格相場が500万円前後など、大きく偏っている場合や、200万円以下で購入できる除雪車が販売されている場合もあります。
中古除雪車の価格相場の特徴はメーカーによる価格差はほとんどなく、除雪車の仕様や状態に大きく左右されている点です。
古い年式でも相場以上の価格で販売されているケースが多いのも除雪車ならではの特徴でしょう。
中古除雪車の販売価格例
車種 | 年式 | 本体価格 | 合計金額(支払総額) |
コマツWA30 | 2019 | 398万円 | – |
コマツWA40-8 | 2020 | 530万円 | – |
日立ZW40 | 2008 | 328万円 | 331万円 |
コマツWA40-6 | 2014 | 538万円 | 540万円 |
カワサキ70ZII | 1992 | 458万円 | – |
古河FL60 | 1986 | 208万円 | – |
中古除雪車を購入できる販売場所4つ
中古の除雪車は一般的な農機具よりも購入できる場所が比較的多いです。
中古の除雪車を購入できる主な販売場所について解説します。
農機具販売業者
農機具販売業者は手軽に扱える農機具から、コンバインやトラクターのような重機レベルの農機具まで、幅広い製品を取り扱っています。
業者によって対応は異なるものの、大きな除雪車も扱っているケースが多いです。
除雪車以外に必要な農機具があれば、ついでに購入できるメリットがあります。
中古車販売業者
除雪車はナンバープレートを付けられる自動車なので、中古車を販売する業者でも購入できます。
多くの中古車業者はネット上に情報を公開しているので、中古の除雪車を検索すると非常に多くの中古車販売業者がヒットします。
重機販売業者
除雪車は建設現場などで使用される重機の販売業者でも購入できます。
重機販売業者によっては中古除雪車を扱っていない場合もあるので、数事態はあまり多くないです。
しかし相場よりも安く販売されていることも多いので、掘り出し物探しついでに覗いてみることをおすすめします。
ネットオークション
ネットオークションは業者だけでなく個人も出品しているので、業者のホームページではあまり見かけないような除雪車もあります。
時期によりますがほかの農機具と比較すると入札があまりないのでライバルが少なく、相場よりも安く購入できる可能性が期待できます。
ただし個人間での取引の場合、動作確認や状態確認が隅々までできていない可能性があるので、購入する際には注意が必要です。
除雪車を中古で購入する場合の注意点を解説
除雪車は中古でも新車の軽自動車やミニバンよりも相場が高いです。決して安い買い物ではないので、失敗は避けたいところ。
とくに中古の除雪車は新品よりも劣化が進んでいて、壊れやすい部分もあるので入念な事前確認が必須です。
除雪車を中古で購入する場合の注意点について解説します。
修理歴や走行距離など除雪車の状態はしっかり確認する
中古の除雪車を購入する際にまず確認しておきたいのが、修理歴や走行距離など現在の状態がわかる情報です。
修理歴は定期的にメンテナンスを行い、大切に扱われてきたかわかる情報なので必ず確認してください。とくに古い年式の除雪車を購入する場合は、修理を行った除雪車の方が長持ちしやすいです。
また走行距離は除雪車の寿命を把握するひとつの指標になります。
除雪車は積雪する季節に限定して使用するものなので、比較的寿命は長く丈夫ではあるものの、やはり少しでも長く使い続けるなら走行距離はよく確認しておきましょう。
安全装置の有無などスペックを確認すること
除雪車のスペックはメーカーや車種によって異なります。
馬力やミッションの違いなどの確認も大切ですが、とくに安全装置の有無はよく確認しておくべき部分です。
除雪車や除雪機は作業中に巻き込まれる事故が度々起きています。歩行型のコンパクトな除雪機でも、2009~2012年の3年間で8件の死亡事故が発生していました。
人間は誰しも不注意でトラブルを起こす可能性があります。どんなに気をつけていても防げない事故が起こることもあるので、万が一のときに備えるなら安全装置が付いた除雪車をおすすめします。
なお安全装置の機能は車種によって異なります。
巻き込まれることを防止するガードや、センサーなどさまざまな機能があり、中にはいくつもの機能を搭載し、安全性にこだわった除雪車も。
ちなみに歩行型ロータリー除雪機の場合、2004年からハンドルから手を離すと動作が止まるデッドマンクラッチが標準装備になりました。
しかし除雪車の場合は古い年式の車種も現役で使用できるうえに、車種によって仕様が異なるので、必ず安全装置の有無などスペックの確認を行ってください。
本体価格ではなく合計金額(支払総額)を確認する
「相場よりも安い!」と思っても、実際に支払う金額は本体価格より数十万円高い金額になるケースが多いです。
たとえば本体価格328万円で販売されている日立の除雪車ですが、実際に支払わなければならない合計金額は331万円です。
中には合計金額が本体価格よりも50万円以上高いケースや、逆に数千円程度で収まっているケースもあります。また合計金額は応相談や非表示になっている除雪車もあるので、必ず確認をとるようにしてください。
修理費用や消耗品の状態を確認して新車と比較すること
中古の除雪車はどうしても新品と比較すると、修理やメンテナンスの時期が早く来ます。
まずは除雪車の状態をよく確認し、仮にすぐ修理やバッテリーなどの消耗品の交換が必要になった場合、新車価格と比較してどうなのかよく確認しましょう。
除雪車は古い車種でも高額なので、場合によっては新車を購入した方がコストパフォーマンスがよいケースがあります。
保証の有無の確認する
中古の除雪車は基本的に保証はありません。ただし稀に保証ありの除雪車が出品されていることがあります。
もしいくつかの車種で迷った場合は、できるだけ保証が付いている方を選ぶとよいでしょう。
なぜなら保証なしの除雪車を購入した場合、納車後直後になにかトラブルが発生しても、修理代が全額自己負担になるからです。
とくに古い車種で修理歴もない除雪車はいつ故障するかわからない状態なので、保証があった方が安心できます。
業者の対応や評判を調べる
中古の除雪車は状態によって故障のしやすさや、長く使えるかどうかが変わります。
そのため中古で購入する場合は、念入りに除雪車の状態を確認することが重要です。しかし中には除雪車の状態について問い合わせた際に、曖昧な回答をする業者がいます。
質問した内容の答えになっていない、はぐらかすような言い回しをするなど、曖昧な回答をする業者からは購入しないことをおすすめします。
返事が曖昧な場合、思った以上に故障や傷が酷い場合があるので注意してください。
また問い合わせた際のレスポンスの早さも、業者選びのポイントになります。翌日から数日以内に返信があるなら問題ありませんが、1週間以上の遅れがある場合は注意が必要です。
業者の対応を確認することが難しい場合は、業者の名前で評判を調べるとよいでしょう。
できれば現物を実際に確認した方が失敗しにくい
中古除雪車を購入する際は、さまざまなことに注意しなければなりませんが、やはりできれば現物を確認した方が失敗しにくいです。
隅々まで写真を公開している場合でも、写真だけではわからないような部分は多いです。
遠方で現物確認が難しい場合は、より鮮明な写真や簡単な動画で確認させてもらいましょう。
現物確認ができる場合は以下の部分をよくチェックしてみてください。
異音 | エンジンをかけただけ、走行しているだけなど普通の動作をしていてもガタガタ、ゴロゴロと異音が出る場合は、車体自体の調子が悪い可能性があるので注意。 |
異臭 | ガソリン漏れやカビの臭いに要注意。 |
車体のゆがみ | 車体が歪んでいるとドアなどにガタつきがある。試運転でまっすぐ走行できない場合も歪んでいる可能性がある。事故の際の安全性が低くなるので注意。 |
マフラーの錆び | 除雪車は雪の中を走行するので、マフラーが錆びている可能性がある。多少の錆びは問題ないが、進行具合が激しい場合は動力が落ちて燃費が悪くなるので注意、 |
万が一に備えてキャンセルの可否も確認すること
中古除雪車は過酷な環境で使われてきたので、どんなに整備されていても納車後に不具合が出る可能性はゼロではありません。
保証なしで不具合が出た場合、余計に費用がかかってしまうため、万が一に備えてキャンセルができるかどうかを確認しておきましょう。
キャンセルができない場合は、どのようなアフターフォローがあるか確認してください。
中古除雪車の価格相場は仕様や状態で変化する
中古除雪車の価格はメーカーによる変動はほとんどなく、仕様や状態である程度の相場が決まっています。
基本的には400万円前後ほどで、比較的新しい車種なら500万円前後くらいになります。
一般的な農機具とは異なり、古い年式でも比較的新しい年式の車種とほぼ変わらない価格で販売されているケースが多いです。
中古であっても一般的な軽自動車の新車価格より相場が高く、比較的高価な農機具なので、中古で購入する際は注意事項をよく確認して慎重に選びましょう。